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分散型情報キュレーションプロトコル, zk-STARKs, 暗号通貨レンディングなど (週刊Akademia News 7月24日号)

みなさん初めまして!DRI Akademiaの活動や、ブロックチェーンに関わるニュース・解説記事を配信する「DRI Akademia Media」を立ち上げました。Ethereum関連の情報は特に流れが早く、追いかけるのが大変ですが、重要なトピックをわかりやすくお伝えすることで貢献していければと考えています。

週刊Akademia Newsとは?

週1を目安に、Ethereum周辺コミュニティーのニュースを解説付きで配信するコーナーを始めます。ブロックチェーン業界で働く人にとって役に立つニュースをピックアップしていきます。

今週取り上げるのは以下のニュースです。

・DIRT Protocolが約3.4億円調達、分散型の情報キュレーション・プロトコルの構築を目指す
・"zk-STARKs"を開発するStarkWareに Ethereum Foundationが助成金を提供
・BANKEX、Ethereumブロックチェーン・エクスプローラーのAndroid版をリリース
・暗号通貨レンディングのコンソーシアム設立、ユーザー担保保護のための保険を構築へ

DIRT Protocolが約3.4億円調達、分散型の情報キュレーション・プロトコルの構築を目指す

DIRT Protocolは、シードラウンドで約3.4億円を以下のVCから調達した:

General Catalyst, Greylock Partners, Lightspeed Venture Partners, Pantera Capital, Digital Currency Group, SV Angel, HustleFund, Village Global, DDC, #Angels, Elad Gil, Fred Ehrsam, Linda Xie, その他

DIRTは分散型情報キュレーションのためのプロトコルである。インターネットの多くの分野において、偏りがあり、不正確な情報が存在が数多く存在している。たとえば、企業がお金を支払い製品レビューを操作するなどして、不正確な情報が生み出されている。 これを改善し「信頼できる情報を大規模に収集する」ことがDIRTの目的である。

クラウドソーシングによるキュレーションは、単一の情報源への依存を取り除くが、モデレートへのインセンティブがないため、品質を維持するのが難しいという特徴がある。そこでDIRTは、正当なインセンティブを与えるために、トークンを"賭ける"ことを利用する。

DIRTはウィキペディアと同様、誰でも情報を提供することができる。しかし、すべての情報提供者が、データを書き込むためにトークンをデポジットする (つまり賭ける) 必要がある。これにより、情報の確度を保つ目的がある。

・データが正しい場合は、問題なく自由に情報が公開される。
・データが正しくない場合、誰でもデータが間違っていることを指摘できる。そして不正確だという事実を特定されれば、賭けられたトークンを得ることができる。

上記の仕組みにより、誤った情報がデータセットに残ることを、経済的に非合理にするというのがDIRTの概要である。

彼らは「DIRTはトークン・キュレート・レジストリ(TCR)ではなくて、TCRを構築できるプロトコルである」と主張している。TCRとは、分散型のリストのようなもので、トークン所有者が、リストのコンテンツを正しくするよう管理するための経済的インセンティブを持つ仕組みのことを言う。このTCRの概念については、追って別の記事で解説を行いたい。

"zk-STARKs"を開発するチーム"StarkWare"に Ethereum Foundationが助成金を提供

イスラエルのブロックチェーンのスタートアップStarkWare Industriesが、Ethereum Foundationから"マイルストーン/パフォーマンスベースの助成金"を授与されたと発表した
zk-STARKsは、秘匿トランザクションのようなプライバシーの向上と、セキュアな情報の検証を実現する技術であり、ZCashに導入されていることで知られるzk-SNARKsの問題点を改善するとされている。zk-STARKsには以下の特徴がある:

・zk-SNARKsではTrusted Setupが安全であるということが前提だったが、これが必要無くなる
・スケーラビリティの向上
・量子コンピュータからの攻撃耐性

現在のEthereumでは多くのトランザクションが追跡可能であるが、もしアドレスと個人情報が紐づいてしまった時に、以前の買い物やDappsの利用履歴が辿れてしまうなど、プライバシー上の問題がある。また、zkはスケーラビリティソリューションとしても検討され始めている。
zk-STARKのような技術にEthereum Foundationが資金援助を行うことで、プライバシー改善に関する開発・議論がより活発になることが期待される。(余談だが、StarkWareにはVitalik Buterinも投資家としてWebsiteに掲載されている。)

BANKEX、Ethereumブロックチェーン・エクスプローラーのAndroid版をリリース

トークンを用いた金融ソリューションを開発するBANKEXは、BANKEX ScanAndroid版をリリースした。BANKEX Scanは6月にリリースしたEthereumのブロックチェーン・エクスプローラで、アドレス、トランザクションハッシュ、またはブロックナンバーなどを用いて、Ethereum・ERC-20トークン残高と、トランザクションの検索ができる。また、ERC-721トークン残高をスキャンして表示するオプションも追加されている。(一方で、Etherscanも同様の機能を最近追加した

私たちもBANKEX Scanを利用してみた。その結果、現在のところ以下の点に改善の余地があると感じた。

・アドレスを検索すると、全てlower-caseで返還される。これは、web3 や gethで検索する際に問題となるため、取り扱いに注意が必要となる。
・CSVなどのデータ・エクスポートができない。これはEtherscanには搭載されている機能で、分析作業において有用である。

これ以外にも最近、Ethereumコミュニティーでは、オープンソースのブロックチェーン・エクスプローラーを開発する動きが多くなってきている。これは、Etherscanが市場シェアを独占している事に対するけん制という側面もあると考えられる。要望があれば、オープンソースのブロックチェーン・エクスプローラーについても別の記事で紹介したい。

暗号通貨レンディングのコンソーシアム設立、ユーザー担保保護のための保険を構築へ

保険商品を共同で構築する分散型保険プラットフォームであるEtheriscは、Ethereumベースの暗号通貨レンディング市場向けの担保保険(CPI)を作成するブロックチェーンコンソーシアムの立ち上げを発表した。

この担保保険は、借り手によって提供された担保が紛失、盗難、または利用できない場合、担保を払い戻すものだ。 この保険は、規制上の制限やハッキングされた資産を含む、いくつかのリスクに対してカバーするものである。
コンソーシアムの担保保険は、Ethereumのスマートコントラクトを利用し、保険契約を自動的に発行する。 これにより、コンソーシアムに参加するネットワークの貸し手は、ローンの全期間にわたって担保を保証されることになる。

このコンソーシアムの設立によって、暗号通貨のレンディング市場への安全な参加が促進され、より多くの機関投資家が市場に参入することが期待される。
コンソーシアムは、bZxやETHLend、Lendroidなど、レンディングやマイクロ・クレジット分野の9つのプロジェクトで構成されている。

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